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#01|日本の発酵文化の歴史

第1話|発酵食の歴史

発酵とは、微生物が食物などの有機物から栄養素を取り込む際、有機物が分解されて人にとって有益なものに変化していく現象です。微生物の働きによって食物に変化をもたらし、長期保存を可能にし、腸内環境を整えるといった、人の体に有益なものに生まれ変わっていくのが発酵の面白さです。

第1話では日本の食文化を語るうえで外すことのできない「発酵食」についてその歴史や効果についてご紹介していきます。

発酵食の歴史

古くは縄文時代から

日本の発酵食の歴史は古く、縄文時代には既に魚醤が存在していたことが確認されています。

魚醤とは塩漬けにした魚介類を一年以上かけて熟成させた調味料のことで、現在でも秋田の「しょっつる」などが有名です。

文字として記録に残る最古の発酵食は奈良時代に木簡に記された瓜の塩漬けに関するものです。

続く平安時代には、当時の法令集である『延喜式』に味噌や醤油の原料として知られる醤(ひしお)に関する記述があり、調味料として使われていたばかりでなく税の品目や官吏の給与としても定められていたとの記録も確認することができます。

江戸時代になり和食が発展していく

やがて江戸時代に入ると様々な発酵食品が作られ、技術や流通の発展に伴い庶民も手軽に楽しめるようになっていきました。こうした諸条件が揃うことで和食が発展していきます。と同時に日本各地でその土地ならではの風土を活かした食文化が独自の発展をし、今でも各地域の名物として親しまれています。

発酵にかかせない「麹」とは?

麹とは米、麦、大豆などの穀物にカビなどの微生物を生育させたものをいいます。

日本独自の食文化である和食は今ではユネスコ無形文化遺産​​にも登録されているほど世界中で知られていますが、その一番の特徴は独特の調味料にあります。醤油、味噌、日本酒、みりんといった和食に必須の調味料は全て麹(こうじ)を用いて製造されています。つまり和食を和食らしくしているのは麹なのです。

麹菌は日本にしか存在しない!?

麹を作る麹菌は日本にしか存在しません。日本人が古来から経験を重ねることで発酵食品に最適な麹菌を育ててきたと考えられています。カビの繁殖に適した日本独特の高い湿度も良質な麹菌の育成を助け、まずはお酒作りの際に米に自然に生えたカビを使うことで米麹が登場します。

麹菌育成のプロの登場により全国へ

しかし雑菌の混入などの失敗も多かったので、やがて酒造りのためのカビを専門に造る集団が現れ、酒造家にカビを供給するようになっていきました。これが種麹屋と呼ばれる職業です。

種麹屋はやがて味噌や醤油の製造業者にも専門の麹を供給するようになり、和食の根幹を支える清酒・醤油・味噌の元締めとなって発展していきます。そして現代でも秘伝の技により製造された種麹が全国の酒造家に出荷され、吟醸酒などの醸造に用いられています。

麹菌といっても清酒に用いられる麹菌と味噌や醤油に使われる麹菌は少し性質が違います。また、日本全国には蔵により独自の麹菌が使われていて、同じ原料と工程で醸造しても種麹が違うと製品お味も香りも変わってくるのも奥の深いところです。

元来は食糧の保存目的で作られ始めた発酵食ですが、その美味しさと栄養学的な利点から今でも日本の食文化の中心的役割を担っています。

そしてより良い商品を作り出すべく試行錯誤が繰り返されています。

今回はその中からめんつゆを紹介したいと思います。

今回の食材:めんつゆ

めんつゆは室町時代頃から

めんつゆ自体は室町時代からうどんを食べるときに使われていましたが、当時は味噌をベースにしたもので今のようなものではありませんでした。

醤油にみりんやだしを合わせためんつゆが流通するようになったのは江戸時代後期で、明治時代になると砂糖を加えたものが主流となりその流れが現在までつながっています。

めんつゆを使ったアレンジレシピ

鯛のポワレ焼き野菜めんつゆ煮浸し

作り方
  • 鰹ふり出汁100ccにめんつゆ10ccを加える
  • 切り目をつけた椎茸、斜めにカットした長ネギ、ナスを焼き網で焼く
  • 軽く色がついて火が通ったら、出汁の方へ入れて少し炊く。ナスは焼けたら皮を剥いて縦半分に切る
  • 鯛に軽く塩を振り、皮面からパリッと焼き上げる
  • ナスを下に置き、その上に鯛を乗せ盛り付ける
  • 大根つま、へべすスライスを乗せ、最後に彩としてネギの青い部分を切って散らす
材料
  • 鯛:1切れ
  • 長ネギ:1本
  • ナス:1本
  • 椎茸:1個
  • 鰹ふり出汁:100cc
  • めんつゆ:10cc
  • 大根つま
  • へべすスライス

今回は香りを引き立たせるために鰹ふり出汁を使っていますが、めんつゆと水の組み合わせでも大丈夫です。

軽く焼き目を付けます
ナスは皮剥いて半分に切ります
鯛は皮面をよく焼きます
レシピ考案者

國本 祥史|Yoshifumi Kunimoto

株式会社ワングローバル 本部長
2009年渡仏。シャンゼリゼ通りの5つ星ホテル(La Maison du Champs Elysee)内レストランにて部門シェフ兼副料理長を担当するなど数多くのレストランでの経験を経て2019年帰国。

今回のおすすめ商品

<岩手県>老舗の味つゆ(200ml)

霊峰早池峰霊山の伏流水を使用した、たっぷりの鰹節からとったダシに長期熟成させた醤油とブレンドした4倍つゆ

(佐々長醸造株式会社)

<岩手県>老舗の味つゆ(500ml)

霊峰早池峰霊山の伏流水を使用した、たっぷりの鰹節からとったダシに長期熟成させた醤油とブレンドした4倍つゆ
高さ22cm×奥行7cm×幅7cm
(佐々長醸造株式会社)

<鳥取県>あご入り 鰹ふりだし(160g(8g×20))

鰹節・枯れ鯖節・利尻昆布・香信シイタケに鳥取名産の旨味の強い焼きあご(飛魚)を贅沢ブレンドした万能和風だし
化学調味料不使用
(株式会社 ヘイセイ)